DaiChan ファイナンシャルアカデミー

金融商品を売らないFPとして活動中。28歳パパ2年生。若年向けの資産形成術や業界の裏事情も紹介していきます。

積立保険の特徴とは?メリット、デメリットを整理しよう

こんにちは。

DaiChan ファイナンシャルアカデミー塾長のDaiChan(ダイちゃん)と申します!

600名以上のお客様との家計のご相談で得た豊富な知識を元に、皆様のためになる金融知識を定期的にお届けするブログを目指してまいります。

 

前回は『死亡保険』を3つの記事に分けて解説いたしました。

daichanfinance.hatenablog.com

 

死亡保障には様々なタイプがあり、中には『積立タイプ』の保険があることをお伝えしましたが、今回はその積立保険について徹底解説していきます。

 

 

 

積立保険とは

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皆さんは資産形成をする際にどんな方法が思いつきますか?

銀行預金、定期預金、社内積立、保険、投資信託、不動産投資、FX、etc…

世の中には様々な資産形成の方法がありますが、今回はその中の生命保険で資産形成をする場合のメリット、デメリットについて解説していきます!

 

積立保険には運用方法が何パターンか存在しています。

大別すると、『円建て保険』『外貨建て保険』『変額保険』という3種類になります。

 

今回はそれぞれの特徴や、具体的な商品例を交えて解説していきますが、前提として積立保険に共通するメリット、デメリットをまずは知っておきましょう。

 

 

積立保険と他の金融商品を比べた際のメリット、デメリット

将来のための資産形成として積立保険を活用する方は多くいらっしゃいますが、相談の際に他の金融商品と比較した際の特徴を教えてくれるFPは少ないのではないでしょうか。

皆さん、限られた収入の中でより自分に合った資産運用をしたいと考えているはずですので、今回は生命保険で資産運用するメリット、デメリットをお伝えします。

 

◎生命保険で資産運用するメリット

①死亡保障や特定疾病の際に受けられる保障を付帯しながら資産形成ができる

所得税控除である生命保険料控除が年末調整の際に利用可能

円建て保険の場合、元本割れのリスクがほぼ無い

④年払や半年払をすることで保険料の割引が受けられる

 

▲生命保険で資産運用する際のデメリット

①毎月(または半年、年)ごとに決められた保険料を自動引き落とし≒自分の裁量で拠出額を調整できない

途中解約の際のペナルティがある

③外貨建てや変額保険の場合、他の金融商品のほうが期待値が大きいことがある

運用先が『円建て』『外貨建て』『投資信託』のみ

ほかの金融商品のほうが節税の効果が高い可能性がある

レバレッジが使えない≒無茶なリスクは抱えない

 

このように保険にしかできない良い面も数多くありますが、保険の場合保障が付帯するため、その分の経費が引かれており他の金融商品と比べた際に期待値で見劣りをすることがあります。

ご自身が求める目的や、パフォーマンスによって何を選ぶべきなのか変わってきますので、今回は生命保険の特徴にフォーカスして解説していきたいと思います。

 

 

円建て保健

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円建て積立保険とは、私たちが日ごろから使用している『日本円』を運用して資産形成をしていく保険です。

主な運用先は日本国債等の変動リスクの少ない運用先を活用し、運用益を上げていく保険です。

 

円建て保険の利率

バブル期の円建て保健では満期時の返戻率が2倍、3倍といった商品も多くあったのですが、現在の低金利の日本ではその運用益は到底出せないため、良くて1.1倍~1.3倍といった商品がほとんどです。

しかしながら、普通預金や定期預金に比べて運用益が高いため、子供の教育資金や老後資金等の時期が確定している必要資金を準備するために活用する方も多くいます。

 

例えば、前回紹介したオリックス終身保険RISEなどは30年間の運用でおよそ1.1倍の運用益です。

※2020年2月現在

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円建て保険は外的要因(景気の悪化など)による変動リスクはほぼ無いため、預貯金、債券に次いで安定的と考えて良いかと思います。

※裏を返すと物価上昇(インフレ)に弱いとも言えます

 

また、生命保険に共通する特徴で、短期払や年払をすると保険料が割り引かれます

つまり、短期払や年払をすると返戻率が上がる傾向がありますので、支払額に負担がなければ、目標額が必要時期に受けとれるような契約がおすすめです。

 

 

外貨建て保険

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外貨建て保険とは日本円以外の通貨を使い、保障を準備したり資産を運用していく保険です。

上記した円建て保険の特徴に加えて、外貨建て保険のメリット、デメリットがありますので、解説していきます。

 

外貨建て保険の利率と為替変動リスク

外貨建て保険には複数の運用先が存在します。

『米ドル』『豪ドル』『ユーロ』の3つが保険で選択できるので、好みに応じて運用先を選ぶのが良いでしょう。

 

2020年2月現在ですと、『米ドル』が最も利率が高い状況となっています。

オリックス生命『Candle』を例に利率を見てみましょう。

 

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 米ドルの場合30年間で約1.4倍の運用益となっています。

その後の返戻率も円建て保険と比べ、だいぶ高い利率で運用されています。

 

これだけの運用益の差が出る理由は、運用先の国の金利が日本と比べて高いためです。

まだまだ世界的に不景気ではありますが、日本よりもアメリカやオーストラリアの方が国債等の金利が高く設定されています。

 

ただし、円を外貨に両替して運用しているため、為替の変動に対するリスクがあります。

支払期間、受取時の為替変動によって、円での受取時に元本割れになる可能性もあるため、返戻率だけで判断するのは絶対に避けましょう。

 

外貨建て保険を選ぶ際のポイント

円建て保険よりも期待値が大きい分、目的に応じて自身が負えるリスク許容度を判断し、解約時期も考えて契約を結ぶのが良いでしょう。

例えば、20年後に教育費用として使う目的であれば、できる限り為替変動のリスクを負わないために、短期間(10年払など)で払いきってしまい、為替の状況が良い時期で解約してしまう等、一工夫が必要になってきます。

 

 

変額保険

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変額保険とは投資信託などの金融商品を使って資産運用、保障を準備する保険です。

運用先が金融商品になるため、運用先次第では外貨建て保険以上の利率を見込むことができる反面、より高い変動リスクを抱える可能性もあります。

 

変額保険の利率

変額保険の利率については運用先によって大きく変わるため、参考値を提示することが難しいのです。

運用先は分散されているので、どんなに経済が悪くても返戻率が0%になることは事実上ありえませんが、可能性としては運用益がマイナス~数倍ということもあり得ます。

 

今回はソニー生命の変額保険の運用レポートを参照してみましょう。

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例えば、このファンド(運用先)は1999年に始まったものですが、仮に募集と同時に100万円を預け入れて、そのまま放置していた場合2019年11月現在には+860万円に資産が増えているというファンドです。

こんな運用先もありますので、保険としての資産運用の中では期待値は相当に高いのが変額保険です。

 

変額保険を選ぶ際のポイント

変額保険は運用先が金融商品のため経済の影響を直接受けますし、通常の投資信託と同様ファンドの管理手数料も発生します。

保険を使った資産運用としてはやや上級者向きと言えるでしょう。

 

しかしながら投資の特性上、長期で運用すればするほど変動リスクが減らせるため、老後のための資産形成など、時間をかけてお金を増やす目的であれば選ぶ価値を持っています。

もちろん保険として死亡保障を準備することも可能ですので、死亡保障+積極的な運用を望まれる方には有効な保険となります。

 

 

積立保険のまとめ

今回は『円建て』『外貨建て』『変額保険』の基礎をお伝えいたしましたが、気になる保険はありましたか?

すべての保険に共通する特徴として『中長期の運用を目的』とした資産運用方針となっています。

 

死亡保障と資産運用が同時にできる点は保険ならではのメリットですが、中長期の間資金を動かせない流動性の低さは保険のデメリットになってしまいます。

今後も積極的に運用先を変えたいという方は、プランを考えて保険を活用したほうが良いですし、リスクの少ない運用方法を選ぶ方も支払額が負担にならないようプランニングは時間をかけて行った方が良いでしょう。

 

今回は生命保険での資産運用にフォーカスして説明しましたが、このブログではその他の金融商品についても今後記事にしていきたいと思っています。

今後もお楽しみに!

 

 

私は保険を売らないFPとしてフリーで活動しておりますので、ご相談を希望される方はコメント欄よりお問い合わせください。

記事になる前の有益な情報も率先してお話しさせていただきます。